中迫の長屋 2003.4竣工
中迫の長屋
2003.4
農作業時の休憩場所として本宅に増築された長屋です。
内部は作業靴で通行できるよう石貼りの廊下となっています、またご依頼主の希望により壁は昔ながらの竹編みの土壁下地となっているなど、大工や左官の本来の仕事が発揮された建物となっています。
大切にしていること
家の間取りや外観はどういう過程で決まっていくのでしょうか?
ハウスメーカーの多くは「足し算の法則」で決めています、つまりお客さんの要望する部屋を順に足していった結果が間取りとなる方法です。
逆に彫刻の様に先に外観が決まっていて、その内部を間仕切っていく方法などもデザイン重視の場合よく行われます。
この長屋は、道路からは屋根しか見えず外観が良くわかりません。
これは幹線道路からの騒音や視線の遮断に重きをおいている為です。
内部の吹抜けも、遮断の為に無くなった採光を反対側の屋根から取る為に設けられたものです、つまりデザインには意味があり機能が反映
されたものなのです、一軒一軒の本質的な重要点をご依頼主と共に、発見して検討して行くことを当事務所は家づくりの上でもっとも重要視しています。
現在、建築の世界では表層のデザインといって機能と外観の切り離されたものが流行しています、しかし当事務所ではことに住宅においてはそうあるべきではないと考えています。